現在はSNSが流通し、気軽に情報収集ができるようになりました。
SNSは流行しているものが多くの方々に表示されがちですが、必ずしも流行しているからといって
そのトレーニングが【あなたの目的にとって正しいのか】という疑問を常に持つことを意識して欲しいと思っています。
ほとんどの場合、トレーニングとは、【目的に対する手段】という位置づけです。
(例)自身が設定した目標に対し
「今よりもパフォーマンスを高めて競技成績に繋げたい」という【※目的】に対し
「トレーニングをして能力を高める」という【※手段】を行うということ
これを念頭に置いていなければ、手段が目的と化してしまうことが起こりがちです。
手段が目的化するということをわかりやすく例えるならば
サッカーでシュート力を高めたい(目的)
→下半身強化の為にスクワット等をする(手段)
→スクワットの重量が伸びてきて楽しくなる
→スクワットの重量ばかり求めてしまうようになる(目的)
こういった流れで多くの方々が目的と手段の位置づけを誤ってしまい負の連鎖に陥ってしまいます。
では、なぜ多くの方々がこのような間違えに陥りやすいのか?
私はそれを「トレーニングの意図がはっきりしていない」ことが原因だと考えています。
先ほどのスクワットの例でいくと、スクワットは下半身の筋肉を鍛えるトレーニングであり、下半身強化=スクワット と考える人も多いです。
たしかに【下半身強化=スクワット】というのは間違いではないのですが、スクワットという種目はそれ以外にも多くの効果をもたらします。
具体的には
・骨盤や股関節の使い方
・脊柱の連動
・腹腔内圧(腹圧)
など、これ以外にもたくさんの恩恵が得られます。
選手の皆様には上記のようなトレーニングにおける利点を把握していただくことで、目的と手段の間違えが防げるのではと考えています。
私がサッカーのシュート力を高めたいという目的があるとすれば次のように考察します。
【なぜシュート力が弱いのか考察】
自分がシュートをする際に不足している要素は何なのかを考察
↓
踏み込む際に軸足に乗り切ることが苦手で、軸がブレながらキックをしてしまっている
↓
そもそも片足で立つことや動くことが平気でできるのかを確認
↓
できない場合、股関節の使い方や脊柱の連動性を確認
↓
股関節の使い方が苦手ということが判明 ※ここで【手段】が明確になる
↓
自分の股関節の機能面で見るとスクワットよりもルーマニアンデッドリフトの方が効果的
↓
ルーマニアンデッドリフトを行う
↓
股関節の機能面が改善され、軸足に乗ることができるようになる。結果的にシュート力も向上した。※【目的】の達成
というような流れで目的に対し手段を選択します。
上記のような判断、考察ができるのであれば目的が明確化し、それに対する手段も明確になることで最も効率よく自身の成長に繋げることが可能です。
※手段というのは目的に対して変動するという前提は持っておくこと
しかしながら、上記のような流れで進行している指導者やトレーナーはそれほど多くはありません。
私が出会ってきた指導者の方でも【感覚】や【自身のこれまでの経験談】で指導する方がほとんどでした。
【指導者を信じる】ということはとても大切なことですが、【常に疑問を抱く】という思考も持つことが大切です。
疑問を抱くということは【なぜ?】という部分に着目できるからです。
これはトレーニングに限らず、全ての物事にも言えることですが【なぜ○○をするのか】ということを知っていなければ
【なんとなく】やっているのと同様になってしまいます。
つまり、それによって得られる効果は【必然】ではなく【偶然】ということになります。
ここで、自身のこれまでの競技生活のことを思い返してみてください。
いい成績が出せた時、その理由を明確に人に説明できますでしょうか?
「調子が良かったから」、「身体がしっかり動いたから」というような理由が思いつくのであれば、それは偶然の可能性が高いです。
【なぜ】調子が良かったのか?
【なぜ】身体がしっかり動いたのか?
ここの【なぜ?】を考えることがとても重要です。
そういった思考を常日頃から持ち続けることで、先ほど【サッカーのシュート力を高める】という例に出したような考察、進行が可能になります。
私の指導では【なぜ】ということをすごく大切にしています。
その選手の生活、競技動作、機能面の問題や様々な視点から注目し
トレーニング一つ一つに対して【なぜこれを行うのか】というポイントもお伝えします。
こうすることで指導者の有無を問わず、選手の方々が一人の場合でも自身で考察し、組み立てていけるようになるからです。
ジムや施設に通った時だけパフォーマンスが上がるのではなく、自身で考えて行動できるようになることが選手にとって一番嬉しい効果です。
今よりもパフォーマンスを向上したい選手の方のお手伝いをさせていただければ幸いです
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